不法滞在について
オーバーステイの方、密航してきた方、偽造パスポートで入国した方などを総称して不法滞在者といいます。これらの皆様は、それぞれの事情があって現在、違法な状態になっているのです。これらの方々は、例えば人を傷つけたり、盗んだり、違法薬物を使用したといった、いわゆる誰からみても悪いということをしたわけではなく、多くの人は本国の家族を養うためなどの目的で、日本に出稼ぎにきた善良な人たちなのです。ただし、その人たちが日本で一生懸命に働けば働くほど、日本の労働市場に悪影響を及ぼすなどの理由から、その行為を犯罪であると規定して、厳しく取り締まっているのです。不法滞在の皆様は、何年もの間、人目につかないように、そして警察や入管の網から逃れ、逃げ回って日本で暮らしてきたのでしょう。この人たちは決して怖い人たちではないのです。本来の意味での犯罪者ではないのです。
でも、いったん警察に捕まって、刑事手続きを受けることともなれば、裁判で執行猶予がついたとしても、日本への上陸拒否期間は10年になってします。ですから、そのようなことにならないように、自分がどういう立場にいるのか、そして、日本が大好きなあなたがどうしたら日本に居られるかをきちんと分析し検討しなければなりません。
特に日本人や永住者の人と結婚した人、あるいは結婚を考えている人は、1日も早く今後のことをしっかり考えるべきです。警察や入管に捕まってからでは、日本滞在の許可を得るのはなかなか難しいことになります。私は色々なケースを見てきておりますし、退去強制と裁決されて、裁判を起こした例も数多く承知しています。裁判所は「家族が離れ離れになったとしても、5年経てばまた日本に来られる。そして5年位の期間、お父さんが外国で働いており、その間父親や夫に会えない家族の例も日本国内のどこにもあることであり、法務大臣の裁決は違法とまでは言えない」と判断をしています。このように、いったん、退去と決められてから、それを覆すのはほぼ不可能といっても言い過ぎではありません。
「できるだけやってみましょう」などと言う先生も多くおられますが、私は第一に特別在留許可が認められるように手続きを進めること、そして、不可能なケースについては、一旦出国して早く日本に来られるように手続きすることをお勧めします。これも、特別な手立てや、次に許可を得るためにすべきことがあるのです。それをお知らせします。自分たちがこの後、どうなるのか不安に思っておられる方は、どうぞ当事務所に相談してください。「あなたはこうなります」という形で、あなたの不安な気持ちに的確にお応えします。私は40年位の間、東京入国管理局や大阪入国管理局などで退去強制手続きに従事し、名古屋入国管理局で訴訟、霞が関の入国管理局で入管法の改正や入管の基本計画の策定に携わってきました。何でもよく知っていますよ。私は2014年に入管は退職しておりますし、守秘義務がありますからあなたの秘密は絶対守ります。入管や警察に通報すれば私が罰せられます。それに、私は何より日本で苦労しているあなたたちの味方ですから、一緒に一番良い方法を考えましょう。